准教授公募戦を振り返る その3

 自分のため、これから挑む人たちのために准教授公募戦を振り返ってみようと思います。

 次の公募は教育学部と同じ遅刻の工学部です。今回はかなり力を入れました。共同研究していた研究室でトラブルがあり、その結果空いたポストの公募です。結論を先に書くと、デキ公募だったようで、助教の先生がスライドして上がっていました。この助教の先生の業績はさんさんたるもので、まともな国際誌には2,3報しか掲載されていないというレベルでしたが、校務をしっかりされているらしく、そのあたりを内部の先生方に評価されたようです。現実を見せつけられた一戦でした。

 この公募では、書類を作る前に情報をかなり集めました。まず、私が所属している機関から出て他の大学に出て行った先人達から情報、具体的には応募書類を収集しました。また、相手先の大学が何に力を入れているのか調べました。”大学名”と”ミッションの再定義”を検索ワードにして検索すると、その大学が何に力を入れているのかが分かります。例えば、埼玉大学・ミッションの再定義と入れてみると、工学部が何に力を入れているのかがわかるPDFファイルを見つけることができます。

http://www.saitama-u.ac.jp/news_archives/20140411-5.pdf

このファイルを見ると

教員一人当たりの特許出願数の高い実績を生かし、産学官連携
究を積極的に展開し、今後とも埼玉県をはじめとする我が国の産業
を支える実践的な研究等の取組を一層推進する。
とありますので、これにマッチするように研究の抱負とかを書くようにしました。
さらに、埼玉大学・中期目標で検索すると、中期目標・中期計画の記載されているPDFファイルを見つけることができます。

http://www.saitama-u.ac.jp/guide/information/info/170331chuki-mokuhyo.pdf

このファイルを見ると

○強みや特色のある研究成果を積極的に公開するとともに、本学の持つ研究力を結
集して首都圏地域における自治体・企業・地域社会が抱える課題の解決やイノベー
ション創出に資する。
とあるので、「共同研究をやってきたし、今後も共同研究に力を入れます。これは貴学の中期目標に合致するものです。」といった内容で研究の抱負を書くわけです。あとはアクティブラーニング、英語授業をキーワードに教育に関する方針も書きました。こうやった理由は、”おっ、コイツは研究バカではなくて、校務もバランスよくやってくれそうだ”という印象を持たせるためです。圧倒的に研究能力の高い競争相手を出し抜くにはこれしか無いと思い、かなり入念に色々と調べました。
 以上の様に、いろいろと考えて公募書類をつくりましたが、結果はダメでした。助教の先生は業績が少なかったので、私でも論文数は5倍以上ありました。これだけの業績差をもってしても、コネの前には勝てないということを身をもって理解した一戦でした。