企業には家庭に強く言ってほしい

 高度プロフェッショナル制度が話題になっています。一定水準の年収を超える人には残業代を支払わなくてもよくなる制度で、結局のところ、雇用側に有利な制度のようです。

 近年はストライキもめったに起きず、労働者側は殆ど雇用(企業)側の言いなり状態です。そんな企業ですが、最近は新卒の学生に内定を出すときに親確をするそうです。親確は「親に内定承諾の確認(親確)を行うこと」だそうです。親確のみならず、新型うつになってしまう新入社員が出ないように心のケアをするとか、パワハラにならないように管理職の教育を行うとか、とにかく企業は新入社員に甘くなっています。

 これ、すごく違和感を覚えます。企業は、労働者に対してこんなに強く言えるのに、なぜ新卒やその親にここまでペコペコするのか。もっと言うと、このペコペコ代は結構な損失ではないのかと。この風潮を改善したくないのかと。

 この新入社員に甘い風潮は、学校教育に端を発していると思います。レポートを出さないのは教員の指導が悪いとか、心の問題だとか、いろいろいい訳を付けて子供のせず教員のせいにします。そんなわけないだろうと。期限を守れない学生には鉄拳制裁でいいではないかと正直思います。言って分からないのであれば体に叩き込まざるを得ない。で、そうすると「もうそんな時代じゃない」と言われます。

 いやいや、時代はますます厳しくなっていますよ。グローバル化に伴い、国の間の競争はどんどん熾烈になっています。国内市場だけでも食っていけた昔よりも時代は厳しい。にもかかわらず、日本の若い世代はどんどん甘やかされている。他方、発展の真っただ中の隣国は、熾烈な競争を勝ち抜いた若い世代を輩出しています。そんな勢いのある相手に対して、学生を甘やかせたまま社会に出して対峙させるのは無責任だと思います。むしろ昔よりももっと厳しく鍛え上げるべきだと思います。

 そんなわけで、最近の日本人の新卒はイマイチだから、企業は外国から有能な人を取ろうとするのでしょうが、なぜそちらに走るのでしょうか。もっと企業は学校に厳しく指導してくれと言ってほしいと思います。そして厳しく指導することを許容しろと日本の家庭に発信してほしいと思います。そうすれば、わざわざ他の国に人材を探しに行かなくても、優秀な人材を国内で確保できると思うのです。しかも言うだけで済みます。タダです。親だってどこかの会社の労働者です。同じ人物なのに、労働者ではなく親という肩書が付くと途端に何も言えなくなる企業。不思議です。