出来ちゃった宣言。

 ウチの学生(♂)が断りもなくゼミに出てこなくて、ゼミ終わって2時間くらいたった夕方に居室にやってきて何を言い出すかと思ったら

「子供ができてしまいまして...。」

 

 

 

( ゚д゚)

 

 

 

コイツは本当にだらしないやつで。机の上はグチャグチャ。修論の中間発表直前になってもバイトを入れて、結局まぐろがゴーストライターになる羽目になり、当然終わった後も遊び惚けて、ゼミも出てこない。装置も壊すし、データも信用ならないときています。なんというか、一事が万事ってやつですね。

 

 で、

「今日は彼女が検診に行く日だったので付き添いで行っててゼミに出られませんでした。」

ときて、さらには

「今後もそういう日が増えると思いますんで、すいませんがよろしくお願いします」

ときました。怒っても仕方ないというか、去年一年間、充分言い聞かせてきてどうしようもなかったので、もう何も咎めず、彼女と子供を大切にと言っておきました。

 

 まぁ、この学生もアホですが、相手も相手で、ヘルメットもかぶらずにやらせるなんて相当なアホだと思います。月に1日か2日間くらいの危険日だけでもかぶらせられんのかいと。というか、そういうこと知らないのかな?まぐろも不妊治療やる前はそういうの知らなかったし。性教育の意味全くないですね。

 

 この学生には

「もういくら言ってもお前のだらしない性格は治らないから俺はあきらめるけど、学校にいるうちに治さないと社会に出てから取り返しのつかないことになるぞ」

と口を酸っぱくして言ってきましたが、多分もう取り返しのつかないところに半歩突っ込んでいるような気がします。子供が毎日夜泣きしてロクに寝れない中、仕事に集中することなんかできるはずもなく、そして職場ではそれを言い訳にしてミスを繰り返して、使えないヤツのレッテルを貼られる、それくらいならまだマシで、会社にいられなくなってしまうような気がします。そして子育てでイライラする嫁さんに、付き合いたてのラブラブな雰囲気など期待できるはずもなく、家庭もうまくいかずに離婚...みたいなバッドエンドしか見えません。「学生で子供ができちゃったけど夫婦で頑張って今は立派に会社経営しています。」みたいな美談はたくさん転がってますが、それは美談だから転がっているのであって、「結局離婚して親権取られて養育費むしられてボロボロです。」みたいな話は世に出てこないですからね。

 

 教員としてどう接すればこの学生がまっとうに生きていけるようにできるのか。ちょっともうわかりませんね。いや、分かるんです。実は。地獄を見せて、やっちゃいけないこと、やらなきゃいけないことを体で覚えさせる。これしか道はありません。修論でもまぐろがゴーストライターをすることになると思うんですが、それをやらないでおく。そうすれば多分修了できなくなり、就職できず収入が断たれて、食うにも困るような状況に追い込まれると思います。それで更生できれば、短期的にはキツイですが長い目で見ればこれが一番本人にとっても周りにとっても被害が少ないと思います。30歳くらいになれば、「あの時先生に落とされて良かったです。」となるはずです。キツイのは仕方ないです。いままでずっと嫌なことから逃げてきたツケだから。でもどこかで払わないといけないんです。このツケは踏み倒せないので。

 

 とはいっても、そんなことをやればこちらの指導力を疑われるし、保護者が何を言ってくるかわかりません。こちらの意図を理解してくれる保護者ならいいんですが、そういう保護者の子供はこんな状況にならないんですよねぇ...(実際、この子の親にはちょっと問題があります)。負の連鎖というのはこういうことかと思います。この例を見ると、この負の連鎖は補助金とか生活保護で防げないことが良く分かります。悪いことしたら鉄拳制裁のスパルタ教育、学校教育に親が口出せない環境づくり。これしか負の連鎖を断ち切る方法はありません。誰かが厳しくするしかないです。厳しくするのは大変ですが。体罰って難しいし、やっぱり自分の行動で学生が苦しむところを見るのはツライですからね。甘やかす方がはるかにラク

 

 仕方ないので、この学生の周りの友達に

「アイツは教員とか上司とか親が何言ってもダメで、親しい友人から真剣に厳しいことを言われないと多分心に響かないと思うんだよね。」

と、かすかな期待を込めて言ってます。同期に言われると実際響きますからね(体験談)。

 

 すいません。なんか悲しくなっちゃって。以上、グチでした。