やはり論文は午前中に書くのがベスト

 論文を書くのは午前中がベストだと思う。まず疲れが少ないので、論文執筆のための活性化エネルギ―というか、”億劫な感じ”を乗り越えることが容易だから。それと、雑務は難度の低い仕事であることが多く、比較的取り組みやすいので、やる気が低下してくる午後でも、意外とこなせるから。

 

 今の職場ではあまり論文は重視されない。どちらかというと、学生の教育やケアが重視される。上層部は論文というか、論文を書くと外部資金を取りやすくなるので、論文を書くことを推奨しているけれど、同僚のレベルでは殆ど話題にもならない。「論文?そんなの書いている暇があったら授業の質を上げたり、メンタルケアしたり、校務をもっとたくさんやりなさいよ」的な風潮がある。つまり、論文をさぼっても実害が無いが、校務の類をさぼると同僚の間で関係がギクシャクしてしまう。そんなわけで、論文は重視されない。

 

 ただ、論文を出すことは、研究者にとって将来的には重要になる。論文を出さなければ研究者として信用されないので、研究費も取ってこれないし、ステップアップするときも書類審査ではねられてしまう。しかし、論文そのものがお金やステップアップにつながる訳でなく、つながる可能性が高めてくれるだけなので、重要ではあるけれども、緊急性が無いのである。

 

 職場でも論文は重視されず、緊急性もないので、論文執筆のためのやる気は必然的になくなる。どうしても目前に迫っている雑務ミサイルの迎撃に手が回ってしまう。さらに、論文を書くことはとても集中力がいるので、論文執筆の作業に入ることそのものが億劫である。これらのダブルの効果で、論文執筆作業はどうしても後回しになり、1年ご無沙汰になり、そして遂には論文を書けなくなる。うちの所属機関にもそういう人がたくさんいる。

 

 となると、やはり論文は午前中に書くのがベストということになる。雑務ミサイルを午前中だけ放置しても直撃することはない。午前中はまだやる気があるので、論文執筆の”億劫さ”を乗り越えて、キーボードをたたく作業に入れる。雑務ミサイルは仕事の難度的には小物ばかりだし、撃ち落さざるをえないので、やる気が無くてもなんとかこなせる。そんな訳で、毎日午前中は英文100文字を目標にチビチビ論文を書いている。短報なら2カ月で仕上がるし、フルペーパーでも6カ月で仕上げられる。第一著者で2報もかけば十分合格点なので、これでいいのだ。