准教授公募戦を振り返る その4

 自分のため、これから挑む人たちのために准教授公募戦を振り返ってみようと思います。

 次に応募したのは首都圏遅刻工学部。例によってミッションと中期目標を確認して、それを研究の抱負や教育の抱負に盛り込んで書類を作りましたが、書類落ちでした。これはそもそも偏差値の高い大学だったので、自分の業績が足りなかったのだと思います。良い立地にある大学なので、10年後くらいに教授戦でリベンジできたらと思います。

 次に応募したのは東海北陸地区の遅刻工学部。ここは初めて面接まで行きました。公募締め切りから2週間後に面接の連絡があり、さらに2週間後に面接でした。面接の日時は3日間の中から選ぶように指示され、最終的には休日に行われました。面接は30分で、英語による模擬授業と研究内容の紹介、獲得した外部資金、今後の計画、自己PRをしてくださいとのことでした。英語による模擬授業は大学2年相当の講義を英語で5分とのことでした。

 初めての面接でしたので、本当に緊張しました。また、英語講義をやったことが無かったので、たったの5分とはいえ準備には時間がかかりました。Youtubeで海外の大学の授業を見ることができるので、その動画を基に原稿とスライドを作りましたが、この方法にたどり着くのに時間がかかりました。

 プレゼンテーションは順調に終わり、質疑応答が30分くらいあったと思います。色々聞かれたのですが、一番印象に残っているのは

「マグロくんの持っていらっしゃる実験設備の専有面積は?」

でした。キターッ!と思いますよね。採用する気が無いなら聞かなくていい事なので。ですが、結果は芳しくないものでした。研究については、意外と深いところまでは聞かれませんでした。授業の負荷はどのくらいなの?研究室に所属している学生さんの人数は?校務は何をやっているの?などなどがメインでした。この大学は遅刻の中では上位ですので、それなりに研究業績も見るのかと思いましたが、研究について深いことはほとんど聞かれませんでした。但し、プレゼンでは意図的に難しい用語を使わず、応用面を強調して説明したので、そのことが影響しているかもしれません。

 面接の反省点としては、分かりやすい説明のつもりが、サイエンスとしての深みの無い説明にもなっていたので、この点が良くなかったのかなと思います。また、博士課程にいた頃(5年くらい前)に重点的に取り組んでいた研究を聞かれた際に、細かい理論のところを忘れてしまっていて上手で説明できなかったのもマイナスでした。復習をしっかりすればいいのですが、限界があるので、次は直近の研究にフォーカスを絞って説明しようと思いました。

 また、今思えば当時の業績は外部資金が多いものの、研究にサイエンスとしての面白みがあったかと言えば、ハッキリ無いと言えます。しかし、当時は外部資金の多さに過剰な自信を持っていて、サイエンスとしての面白さをアピールする重要性を軽視していました。サイエンスとしての面白さの欠如が、審査員の先生方に、今後の研究の広がりや博士課程の学生の面倒をみる能力についての疑問を与えていたのではないかと思います。あの時そのことに気が付いていたらなぁ...。