五里霧中

 来るもの拒まずの精神で仕事を引き受けてたら、自分が何をしたらいいのか分からなくなりました。

 

 何となく基盤S、せめてA位取れるようになって、旧帝大、もしくはその一つ下くらいの大学に行きたいというのが自分の目標です。自分の科学に対する知識・理解の無さから大した論文や成果を出せないのですが、そこは民間で身につけたサバイバル能力で、ショボイ論文や成果を見栄え良く見せる申請書をひねり出し、どうにか基盤Bまで取れました。しかし、通った基盤Aの申請書を見せてもらうと、A以上は素の実力を高めないと無理ということを痛感しまして、今年は自分の学術的な実力を高める方針でした。

 

 ところが、去年の時点で経産省系の1千万クラスの予算を取っていたところに、今年は企業との共同研究が同じくらい予算が付き、さらに基盤Bも当たり、大学からとある組織のグループ長もやらされて、あぁ、そういえば学会の幹事もやってたな...。とてもじゃないですが腰を据えて勉強・研究をする時間を捻出できない状態です。ただ、やはり次のポストでは教授を狙うことになるので、お金の回し方だけでなく、組織のハンドリングであったり、組織対組織の争いになった時に上手に会議をコントロール...までは行かなくても、ある程度自分の組織が有利になるように議論をリードする力も必要になってきます(と思います)。そうするとやっぱりこのくらいの仕事はやっておいたほうが良いとも思えます。しかしそれでは自分の学術的な実力は高まらない...。仕事と家庭の両立もあるし、たまには趣味でガス抜きしないとストレスでまた病気になってしまうかもしれない...。

 

 そもそも目標が間違っているというか、不純な気もします。学生の頃は、何か一つ、誰も知らない何かを明らかにする仕事をしたいと考えてこの道を選んだはず。大学はその希望を叶える環境に過ぎない...。しかし、やはりいい環境は良い研究・成果につながる...。

 

 そんな訳で、40にもなって自分の進む方向を見失ってます。うーん、やっぱりもっと成長したいのかな。もしくは単に承認欲求を満たしたいのか。ステータスが欲しいだけなのか。あとは環境をよくすることが目的化しちゃっているのか。キャリア、家族、仕事、趣味などなど、いろいろなものに挟まれて人生の意味って何なのかな、幸せって何なのかなとか訳の分からないことをふと考える今日この頃です。