自己剽窃で困る

 過去に出した論文の発展版という位置づけの論文を出したのですが、自己剽窃に引っかかって困ってます。

 同じファンド、同じ研究メンバー、同じ実験装置(方法は異なる)による研究なので、method、acknowledgements、fundingが前の論文と重なってしまうのは避けられないから勘弁してくれとエディターに言ったんですが、コピペっぽい文章で自己剽窃の割合を減らせの一点張り。そこはもうちょっと柔軟にお願いしたい...。

我ながら難しい性格

 このところ自分の将来を考えることが多いんですが、結局のところ自分がどういう状態になりたいかが分かっていないというか、決め切れていないのかなと思ってます。今日思ったのは、「みんなで楽しくあれこれ話をして、話を聞いて、一緒に何かに取り組んで、何か成果というかモノを作れる環境にいること」というのが自分の望む状態なのかなということです。それで実際にそういう状態に近いところにはいるような気がしています。

 しかし、人が集まればグループとしての知識が広く深くなるのですが、個人として考えると、自分の専門から遠い人や、考えの違う人も増えてくるので、話が伝わらなかったり、話を理解できなかったりするようになります。で、難しいのが、自分がすぐにクヨクヨする性格ということです。考え方が合わなくてちょっと人からキツいこと言われると、否定されると、相手の話についていけないと、笑って平気な顔してますが実は3日くらいは引きずっててクヨクヨしてます。受ける方だけじゃなくて言う場合も、ちょっと言いすぎたなとか、表現がまずかったなとか、あの発言で気分悪くしたんじゃないかとか、いろいろ考えます。つまり、みんなと一緒に仕事してみんなで成果を出したいけど、みんなと一緒に仕事するのがストレスになるという難しい性格(笑)。

 「実際にそういう状態に近いところにはいる気がする」というのは、具体的には科研とか共同研究で何人かのグループを組んで業績を出している点なのですが、どこかこうがっつり組み合っては仕事していないというか、なんか魂と魂の間に常に膜一枚残した付き合いというかそんな気がして、どこか寂しいような気がして、自分の理想の状態ではない気がするんですよね。業績も出てはいるけど相乗効果が出るには至っていないですし。

 うーん、ますます何をしたいのか訳が分からなくなってきた...。結婚する前の嫁さんと付き合ってた頃は毎日とても楽しくて、本音で何でも話せて、そういう膜が一切なかったと思うんで、もしかしたら理想に近い関係なのかもしれないけど、そういう関係を仕事仲間と作るというのは危ないというか、ちょっと違う気がするし。例えば、プロジェクトXとかに出てくるみたいな、例えば日本初の旅客機製造に向けてエンジニアが団結して、本音でガンガンぶつかって何か作り出すというのはいいなと思います。ただ、やっぱりガンガンぶつかったけど最後は仲直りして目標を達成できましたというのはテレビの世界だけであって、実際は意見の不一致でドロップアウトする人も多いと思うんですよね。それは大変気まずい。というか、昔の職場でそういうことがあって、相手をだいぶ怒らせたこともあって、それは今でもまだ引きずってます。

 あー、もう訳が分からん。幸せって何だろう。自分はどうなりたいんだろう。

五里霧中

 来るもの拒まずの精神で仕事を引き受けてたら、自分が何をしたらいいのか分からなくなりました。

 

 何となく基盤S、せめてA位取れるようになって、旧帝大、もしくはその一つ下くらいの大学に行きたいというのが自分の目標です。自分の科学に対する知識・理解の無さから大した論文や成果を出せないのですが、そこは民間で身につけたサバイバル能力で、ショボイ論文や成果を見栄え良く見せる申請書をひねり出し、どうにか基盤Bまで取れました。しかし、通った基盤Aの申請書を見せてもらうと、A以上は素の実力を高めないと無理ということを痛感しまして、今年は自分の学術的な実力を高める方針でした。

 

 ところが、去年の時点で経産省系の1千万クラスの予算を取っていたところに、今年は企業との共同研究が同じくらい予算が付き、さらに基盤Bも当たり、大学からとある組織のグループ長もやらされて、あぁ、そういえば学会の幹事もやってたな...。とてもじゃないですが腰を据えて勉強・研究をする時間を捻出できない状態です。ただ、やはり次のポストでは教授を狙うことになるので、お金の回し方だけでなく、組織のハンドリングであったり、組織対組織の争いになった時に上手に会議をコントロール...までは行かなくても、ある程度自分の組織が有利になるように議論をリードする力も必要になってきます(と思います)。そうするとやっぱりこのくらいの仕事はやっておいたほうが良いとも思えます。しかしそれでは自分の学術的な実力は高まらない...。仕事と家庭の両立もあるし、たまには趣味でガス抜きしないとストレスでまた病気になってしまうかもしれない...。

 

 そもそも目標が間違っているというか、不純な気もします。学生の頃は、何か一つ、誰も知らない何かを明らかにする仕事をしたいと考えてこの道を選んだはず。大学はその希望を叶える環境に過ぎない...。しかし、やはりいい環境は良い研究・成果につながる...。

 

 そんな訳で、40にもなって自分の進む方向を見失ってます。うーん、やっぱりもっと成長したいのかな。もしくは単に承認欲求を満たしたいのか。ステータスが欲しいだけなのか。あとは環境をよくすることが目的化しちゃっているのか。キャリア、家族、仕事、趣味などなど、いろいろなものに挟まれて人生の意味って何なのかな、幸せって何なのかなとか訳の分からないことをふと考える今日この頃です。

成果は努力のステップ関数

 よく聞く話ですけど、ずーっとプラトー状態でいくら努力しても成果が出てこなかったんですが、今日は久しぶりに成果というか良い結果が出ました。

 ひとつは学生の研究計画を立てるにあたって、どうしても理解しないといけない理論があったんですが、なかなか勉強の時間が取れず、ちょっと論文読んでも理解できず、研究計画を立てられていない状態でした。今日は一念発起して勉強の時間を最優先にして論文を読んでみたのですが、本質まで理解するのはやはり難しいものの、研究のロジックを建てる分には十分なところまで理解が進みました。久しぶりに自分の中のサイエンスの領域が広がってすがすがしい気分です。

 もうひとつは、某機構のあっせんで企業とzoomミーティングをしたのですが、この手のミーティングはたいてい徒労に終わることが多いです。しかし今回は共同研究まで発展しそうというか、ウチの装置を先方の研究の評価に使えるという事で、装置の使用料を安定的に研究費をもらえそうな雰囲気です。さらに研究を上手にアシストできれば、もっと大きな仕事になりそうなポテンシャルを感じました。とりあえず近日中に大阪出張です。

 最後は、現在共同研究している企業から、性能2倍で手間も2倍じゃなくて、手間1.1倍で性能1.2倍くらいになるような技術作ってと言われていて、そんなの無理やろと思っていました。とはいっても頭の片隅には置いていたら、散歩している時にアイデアが浮かび、それを基に先月某旧帝大の装置を借りて実験をして、今日はその結果の評価をしていました。その結果が想像以上に良好でした。科学的には面白くは無いのですが、手間1.1倍プロセスで実用化は早そうなので、これは次の研究費の稼ぎ頭になりそうで今後が楽しみです。

 という訳で、色々と今日は成果というか良い結果がドバドバ出てきて非常に気分のいい日でした。それと、やっぱり自分で手を動かして評価しないと、学生やらテクニシャンにお任せしてデータだけ見ててもダメですね。最後の評価結果については、お任せしてたら見逃すところでした。

苦手な会議を苦手なままにするか

 今の仕事で一番苦手なのが会議です。例えば、「委員会でこういう事案について所属部署の意見を取りまとめてこい。」とかが苦手。事案の説明をしようにも委員会でオフィシャルな説明を出してくれないし、それなりに考えて所属部署の会議で説明しても、事案の背景まで聞かれると答えられない。答えるためにその事案の背景まで調べるモチベーションも起きないし。また所属部署のメンバーからの質問もいやらしくて、「この事案をやるとして、学生にこの事案のコース全体における位置づけをどうやって説明するの?」みたいな抽象的なことを聞いてくる。「おめぇはそもそも学生にイチイチ位置づけとか説明してんのかよ」と思うんだけど、まぁディフェンスみたいなもんでそういう逃げは許されないんですよね。

 こういう委員会で議論される内容って、基本的に規則とかの話が多くて、最終的にはその規則の解釈を、どうやって自分たちに有利なように解釈するか、そもそも自分たちに有利とはどういうことかみたいな、パズルを解いていくような話になるんですよね。これが苦痛で苦痛で。あと、周りはみんな頭いいんで、僕が背景とかよく考えないで適当に答えると「ハァ?」みたいな空気が流れるので黙りこくっちゃう。なんで最近はオンライン会議が多いこともあってひたすら片方のディスプレイにzoomの画面出しつつ、もう片方でyoutubeみながら黙ってることが多いです。

 ただ、今年度から入っている委員会の委員長がすごく物腰の柔らかないい人なんですが、ぼんやりした話をクリアにまとめるし、話の本質をずばっと見抜くし、議題の裏にある上層部の考えとその考えに沿った答えをとても上手に導くんですよね。とりあえず研究だけやっとけば、あとちょっと教育もやれば十分やろと思って、こういう委員会関係には全く力を入れていなかったんですが、すこしマジメに頑張ろうと思ってます。すこしね。

コツコツを続ける

 目の前の校務、授業、申請書、報告書、家事、育児に忙殺されると、ついつい未来への投資になる論文、勉強、健康に割く時間が減ってしまうものです。なので、短い時間だけれども継続することを第一に、習慣づけていることがあります。

 まず朝イチに論文を100文字もしくはそれに相当する論文作成に貢献する作業をすること。5時になったらランニングと軽い筋トレをすること、それが終わったらプログラミングの勉強をすること、寝床で専門書を読むことです。めちゃめちゃ負荷は軽くて、それぞれ1時間もやらない程度なんですが、それでも継続はやはり難しい。下手すると例えば1週間論文に手を付けないこともあります。やっぱりそれぞれ取り掛かるために必要な精神的エネルギーがそれなりに高いんですよね。

 ただ、最近これら未来の投資をもっと頑張ろうというきっかけが出てきました。それが欠員補充問題。私が着任してから既に3名の教員が定年などで退職しているのですが、補充が来ないのです。学科全体でみると、マンパワーが2割程度低下している状態ですが、補充が来ません。学内における発言力が弱いんですよね。入試倍率が低いので。あと、政治力が無いのかもしれません。おかげで、今年1科目、来年1科目、再来年1科目授業が増えることが決定しています。しかも門外漢なのでゼロから勉強する必要があります。さすがにそれはキツイ。やっぱり地方弱小大学ではダメですね。

 ということで、まさかの3回目の転職に向けて未来投資を頑張ろうと思います。まぁ、弱小とはいっても遅刻ではあるので、絶対的には待遇は悪くないとは思うので、ダメで元々、引っ越せたら万々歳という気持ちでやっていこうと思います。そもそも引っ越し先の規模の大きい職場の環境がいいという保証も全くないですからね。

ガッツリ時間を節約できることなんて残ってないからコツコツ細かい節約を積み重ねる

 子供を病院に連れていくことがあるんですが、子供の保険証とかは基本的に嫁さんが管理しています。で、嫁さんは保険証を裸でカバンに入れずに、小さいケースにお薬手帳とかとまとめて入れています。で、これが猛烈に取り出しにくいんですよ。ジッパーの大きさよりも保険証の長手方向が長いので、ケースの中で回転させつつ取り出さないといけない。嫁さんを見てるとそういう細かい不便を沢山放置してるんですよね。で、自分はそういう細かい不便が嫌というか、そういうところの細かいロスを無くすことが好きなんですよ。そこで最近導入したのがスマートロック。

jp.candyhouse.co

まぁ、メーカーはどこでもいいんですが、スマートロックの存在を知ったきっかけが、家にこのロックを付けたからなんで、これを載せました。ソニーも出してるらしいです。  

 ウチの研究室には、自分の居室、学生部屋、実験室の三つの部屋があるんですが、このカギを全部持ち歩くとキーホルダーがパンパンになるし、帰りにイチイチ施錠確認するのが面倒なんですよね。そこでこのスマートロックを導入しました。シールで既存の扉に張り付けるだけなのでカンタン。基本bluetooth接続ですが、wifi接続もできます(組織のネットワークだとファイアウォールとかの関係でwifiは使えないみたいです)。キーホルダーからカギが無くなって、施錠されているかどうかもスマホで見れて、スマホで施錠開錠ができるのでかなりストレスが減ります。たくさんカギを持っている人にオススメしたい!

 あと、実験室には冷却水を使う装置が結構あるんですが、その冷却水ホースを今までは普通の水道の蛇口につけてました。これだと、水を出すためのハンドル(?)は回転させる方式なので、遠くから見ても水が出ているのか止まっているのかわかりません。冷却水出しっぱなしだと夜中に漏水の恐れがあるので、帰りに毎回しまっているかどうかチェックしてましたが、これも面倒。そこで、ボールバルブに全部切り替えました。バルブのハンドルが管と平行か直交してるかですぐわかるので、実験室に入らなくても外からチェックして帰れるのでとても便利。

 次はガスの元栓のチェックを何とかしたいと考えてます。流量計を付けてwebカメラで監視かなぁ。