同窓会の話

 小学校の同窓会に参加してきた。参加者は先生を入れて9名。24年ぶりに出会った先生はちょうど定年退職して1年らしい。白髪は増えた気がするけれども、殆ど僕の頭の中の先生のままだった。やっぱり先生は若い人(小学校は若すぎるが)と接しているせいか、勤務している間は年を感じさせない気がする。同級生も変わったと言えば変わったが、みんな面影を残していた。きっと僕自身もそうなのだろう。

 それにしてもうまく話ができなかった。色々と話したいこと、聞いてみたいことはあったはずなのだけれども、話にうまく入れない。「楽しみにしてるって言ってたのにどうして今日は大人しいの?」とか同級生から聞かれる始末。でも僕からすると、「なんで9人同時に双方向で話ができるの?」と言いたくなるのだ。業種が違うから?文系と理系の違い?一つ考えられるのは、僕と一名を除いて地元で働いていて、共通する話題があること。でも、東京で働いている女の子(というには大人になりすぎているが)も話に入っていた。

 話に入れないというよりも、話が出てこないという表現が正しいかもしれない。9人すべてで共有する話題でないと、場がシラけるような気がして、その判断を考える時間のうちに話題がどんどん変わって話に入れないのだ。でもそれは当たり前の話で、9人の全てで共有できる話題なんてすぐに思いつくわけがない。卒業後の9人の人生はまったくのブラックボックスなのだから。そういう意味では、地元組で話が続くのはある程度正しいのかな。

 出力は置いておいて、入力として僕が同窓会に期待していたのは、同級生が卒業してから今までに歩んできた人生の話題だった。でも、そういう話題にはならなった。まぁ、お互い双方向に話したいから、一方が継続的に話を続けるような話題にはなり難いのかな。でもそういう話って一番興味深いと思うのだけれども。まぁ、それを聞いて、こいつは俺より上だの下だのランク付けしたいという気持ちが少しはあるとは思う。自分は比較的成功している方だと思うし。でも、同じ考えの人間が集まりやすい大学と比較して、小学校はそういう選別が全くかかっていないから、思いもよらない話が期待できる。だから楽しみにしていたんだけどな。残念。