研究費で悩む

 理系の高等教育機関の教員を悩ませるのが研究費。これ、本当に大変なんですよ。世間一般の人は、国立大学の先生なんて何もしなくても国から研究費を1000万円くらい位あってスゴイ研究してると思われていると予想しますが、そんな先生は東大にしかおりません。普通の国立大学、短大の先生なんかは10万とか下手するとゼロです。そうなると稼いでこないといけない訳です。稼がない先生はどうなるかと言うと、ウチはそこまでは行ってませんが、大学によっては占有スペースを奪われるという話も。電気代とかガス代を払えないからです。もちろん実験もできない、学会もいけない、紙も買えない。

 そこで出てくるのが外部資金というやつです。文科省経済産業省農水省etc...といった国の機関から取ってくる場合もあれば、民間の財団から貰うこともありますし、民間企業と直接契約する場合もあります。ただし簡単にはもらえません。というより、理系は必要なお金が多すぎるのです。100万円位はあっという間になくなります。学生を学会に連れて行けば1泊2日で一人2万くらいかかるし、装置を壊されれば10万円位あっという間。しかも昨今の学生はモノを大切にしませんからね。一方で、100万円というお金は絶対的には大きなお金。一度印刷したコピー用紙の裏を使って乾いたぞうきんを絞るように経費削減をしている今日、そう簡単にはもらえません。

 その簡単にもらえないお金を、うちの場合は研究員を雇っているので最低でも300万円は稼いでくる必要があります。学生を学会に行かせることを考えると、もう50は欲しい。毎年350万円、コンスタントに稼いでくるのは本当に大変です。350もあったら車買えちゃいますよ。とりあえず使わずにとっておいてある100万円を使って給料を9月くらいまでは支払って、9月に給付される外部資金を当てにして、申請書を書く日々です。まさに自転車操業。気分は中小企業の社長です。いい車には乗れませんが。