韓国訪問
韓国出張(地方大学訪問)から帰ってきました。気が付いたことを色々書いていきます。
・夜の街の電光掲示板の色がうるさい
日本も同じような感じで色とりどりの電光掲示板がでてますが、それと比べると色がうるさいんですよね。光の強度そのものが高いのと、色温度が高いのだと思います。
・やっぱり焼肉は美味しい
カルビとソーセージを食べましたが、こちらは文句なしに美味しかったです。ソーセージについては本場ドイツよりも美味しかった。特にソーセージには後味にうまみがあって私にはよく合いました。
・英語はあんまり...。
スターバックスはかなり英語が通じました。しかし、その他はかなり大きなカフェでも英語は通じず、身振り手振りでやり取りをしていました。先方の教員はだいたいペラペラでした。学生の英語レベルの平均値は日本人よりも高い印象ですが、アメリカ人を100、日本人を10とすると、韓国人の学生は15くらいですかね。大差はないです。わからないと笑ってごまかすところも一緒。
・大学の研究設備は日本より上
悲しいことに事実です。先方はこちらと同じクラスの評価の大学ですが、設備の数も質も上ですね。3倍はすごい。オペレーターも、日本の一部の口先ばかりで手を動かさない一部の技官より仕事ができそう。日本では安全対策をしろと文科省が言ってきますが、お金は出しません。韓国はこういう安全対策のためにこれだけくれと言えば、大体くれるそうです。トップクラスではなく裾野に相当する大学に対する支援は韓国の方が良いような印象を受けました。逆に、これだけの設備の差があっても同等レベルのアウトプットを出せる(出せているかどうかはわかりませんが)日本の研究者の能力を再評価してもいいと思います。しかし、結局こちらも向こうも同じホモサピエンスなので、ヒトが同じなら、カネとモノで上回る相手に勝てないと思います。
・辛いものばかりではない
スンドゥプは当然辛いんですが、カキクッパとか、サムゲタンとかは辛くないので、辛い物が駄目な私でもOKでした。
・物価は高いが公共交通機関の料金は安い。
スタバ同士で比較すると、日本で800円くらいでコーヒーとデザートを食べれるのに対して、韓国は1000円くらいかかるイメージです。一方で、タクシーも含めて公共交通機関は半額位のイメージです。公共交通機関にはかなり国の補助が出ているようです。
・共通する悩みも結構ある。
トップクラスの大学にはじゃんじゃんお金が回るが、裾野にはちっともお金がこない、科研費の各手間も審査する手間も無駄に多い、学生がビジネスライクで、定時に帰るし休日は絶対に研究しないなどなど。政治的には、政治家の票集めのために社会保障が手厚くなりすぎて教育にお金が回ってこない、公務員とか大学教員とかは妬まれる等。
・教員は相当なエリート
当たり前ですが、アメリカやヨーロッパで修行してきたエリートが教員やってるんで、レベルは同等です。教員の履歴が張り出されていたのですが、アメリカの大学か、ソウル大学などの一流どころばかりでした。少なくとも訪問した大学では生え抜きはゼロ。日本よりもポスト争いは厳しいように見えます。
・工業力の層は薄い
日本だとオンリーワンの技術をもっている中小企業もかなりあって、必ずしも大企業の下請けばかりやっている訳でないですが、韓国ではそういうケースは少ないそうです。そして、大企業に行ける学生の割合は10%程度、残りは中小とのこと。大企業の人材受けいれ容量は日本より少ないようです。先方の先生の見解ですのでデータがあるわけではないのですが。
・日本人だからと言って噛みついてくるようなことは無い
こういうご時世ですので、結構心配してましたが、そういうのはありませんでした。ただ、やりとりした相手は大学の教員がほとんどなので、層が変わるとどうなるかわかりません。大学の教員の中にも左側の人はいるそうです。
・日本語を話せる人は結構いる
今でも日本の大学に留学することはステータス性があるようで、日本で研究していた先生が多く、日本語を話せる人は結構います。
・圧倒的にセダンが多い
向こうの車の7割はセダンでした。ミニバンは少数派。ほとんど見ません。どうやって家族サービスしているんですかね。
そんなところですかね。とにかく思ったよりも日本と韓国の差は小さいと思いました。物価は韓国の方が高いです。研究者のレベルはあまり変わらず、現状で日本が工業力でアドバンテージを持っている理由は、企業が蓄積してきた技術の深さ、広さによるものだと思います。あとはオンリーワンの中小企業が多数存在することでしょうか。