長期の育休に対する批判について

 娘がようやく3カ月を迎えるあたりで子育ての苦労が身に染みてきた今日この頃ですが、この立場になると妻が育休を取ってくれるのは本当に助かります。というか、取ってなかったら生活が成り立たないと思うのです。

 どこぞのアナウンサーが育休を6年も取ったとか、育休を取る人は何かと批判されますが、実際に子を持つ親の立場になると、6年くらい気前よく育休を取れる社会にならないと、ぜったい人口なんて増えないことが良くわかります。人口が増えるためには、1組の夫婦が3人子供を作らないといけないですが、3人子供を産むということは、妊娠期間だけで30カ月必要なわけです。出産から妊娠の間は半年くらい開けないといけないので+12カ月。つまり女性が出産だけに徹しても3.5年かかるわけです。それでも今の日本の社会では4年近く給料もらいながら休んでいたら相当に叩かれるでしょう。

※妊娠期間中=産休ではありませんが、育休明けに数か月間だけ働かれるとかえって迷惑になるので休みを取ると仮定しています。

 じゃあ旦那とかその周囲が面倒見ればいいという意見もありますが、その立場になるとこれがとんでもなくキツイことがわかります。核家族化が進んでいますので、祖父、祖母の力を借りられる人は限られているし、グローバル化が進んで世界で働く時代ですので、核家族化の傾向はますます強くなります。従って、育児に参加できるのは両親に限られる。となると共働き世帯は旦那が頑張る必要があります。でも絶対無理だと思うのです。例えば、夜の10時に帰宅するのが通常になってしまっている人であれば、5時に帰宅して子供を迎えて、料理して洗濯して、おむつかえて、母乳を解凍して飲ませて...とやって8時くらいになんとか子供を寝かしつけて、12時まで仕事する。で、朝の3時くらいに母乳をあげるために起きて、子供を寝かしつけて4時くらいにまた寝て6時くらいに起きて朝ご飯を....。できる訳が無い。さらに子供が病気になろうものならさらに負担は重くなります。

 このキツさ加減を理解してもらうのは難しいのだろうと思います。高齢者の世代は、核家族という条件のもとでの育児を想像できないし、子供がいない人にはそもそも育児の大変さがわからない。もちろん本やニュースで知ることはできるのだけれども、実感と伴った理解でなければ、長期の育休に対する理解を得るのは難しいと思います。

 ですので、育休にかかるコストは全て国が払ったらいいと思うのです。人口が増えれば経済活動が活発化するので、長期的にはプラスになります。ただ、どうしても短期の利益を人は見てしまう。そのため、企業内では育休に対して批判が出てしまうと思うのです。だから国がコストは全部負担する。これは高等教育の無償化よりもぜったい効果的な景気刺激策になると思うんだけどなぁ。