不妊治療で離職

 16%というのは真実味があると思う。

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 我が家は高度不妊治療までやった訳ですが、この16%というのはリアルな数字だと思います。仕事をしていれば、業務だけではなく付き合いもあります。定時に帰れる人は少なく、妻は終電で返ることが多々ありました。さらに不妊治療を並行して進めるのは極めて困難で、高度不妊治療を開始して1年後に妻は仕事を辞める旨、上司に伝えました。

 不妊治療は仕事の都合を考えてくれません。卵子の育ち具合、子宮の準備状況等々、全て神様の思し召しです。しかし、仕事もまた不妊治療の都合を考えてくれません。ストレスが着床の障害になることは分かっていても、帰りが遅くなったり、飲み会に参加させられたり、旦那に文句言われたり...。

 我が家は優先順位を考えました。仕事はいつでも探せる。でも子供を授かる確率は年齢とともに下がっていく。僕は絶対に子供が欲しかったということもあり、夫婦で相談した結果、妻が仕事やめるという結論に至りました。

 捨てる神あれば拾う神あり。妻の上司から出たのは慰留でした。しかも事情を酌んでくれて、部署を変更してくれるというのです。その後、妻は楽な部署に移り、毎日定時に帰るようになりました。そこからまた1年かかりましたが、ようやく妊娠し、更に約1年後、無事に子を授かることができました。

 そんなわけで幸運なことに、我が家は仕事と子供の両方を取ることができたわけですが、これは全くの偶然です。女性の社会進出の機運、上司に退職を相談した時期、上司のキャラクターetc...これらがうまい具合に嵌っただけで、どれか一つでもかけていれば、妻は16%の中に入っていたと思います。本当に不妊治療と仕事の両立は困難です。ただでさえ経済的にキビシイ不妊治療。もう少し社会の理解が進むといいのですが。