学会聴講の断捨離

 今、学会に参加している。他の研究者のことは分からないが、学会に行くと自分はあれもこれも聞かないといけないという貧乏性特有の強迫観念に駆られて、それほど自分に関係のない分野の発表も聞いてしまう。もちろんそこで思いがけない発見があるかもしれない。最新の研究の状況を把握できることも間違いない。ただ、それは「新しい家電買ったけど、そのうち使うかもしれないから古い家電は取っておこう」という考えによく似ている気がするのだ。たいていの場合、その家電は使わない。学会聴講もしかりである。10聞いて1役に立つかどうかだと思う。

 学会に参加している時間は、基本的に学生から質問もされないし、電話もかかってこない。休日と違って家族サービスをしなくてよい。こんな質の高い時間は他にない。この時間を、役に立つかどうかわからない発表の聴講に費やすのは必ずしもベストとは思えないのだ。それくらいなら普段なかなかできない勉強や論文読み・書きに使った方が、確実に成果に繋がる。だから今回の学会では聴講する発表を絞って、聞き終わったらさっさと帰ることにした。