結局科研は実績だよね

 科研の申請書の書き方についてはネットで色々と情報が落ちているけれど、結局モノを言うのは実績だよなぁと思う。世の中にはご自分の調書を公開されている方が結構いらっしゃる。

http://geos.ees.hokudai.ac.jp/yywata/Pictures/project/2010kibanA.pdf

この先生の基盤Aの申請書を斜め読みしてみると、失礼ながら最初の一ページ目でもう読むのが嫌になってしまう。文字オンリーでフォントも変えていないので読み難いことこの上ない。概要を見ただけではサイエンスとして何が面白いのか門外漢には全く分からない。また、審査員にはモノクロで書類が手渡されると聞いているが、このPDFだけみるとカラー前提で書類を作っているように見える。しかし結果は基盤A採択である。

 となると、科研費講習会は意味が無いような気がする。いわゆる科研費講習会の目的は、現状では科研を取れる可能性の低い研究者を、取れる研究者にすることであると思う。が、「結局研究業績の無い人は科研取れませんよ」と、身もふたもない事を言う講師をあまり見たことが無い。一方で、フォントがどうのこうのとか、概要がどうのこうのとかに時間をたっぷりかける。そんな小手先のことに時間をかけなくても、取れる人は基盤Aを取っちゃうのに。

 もうちょっと根本的な科研を取るコツを教えてほしいと思う。講習やってくれる先生は殆どが基盤AやらSやらを取っていらっしゃるから、同クラスの科研の審査員もやっているはず。その審査員の観点で、結局ぶっちゃけどうなのよというところを言ってほしい。基盤Aは正直ビックネームが分担に入っていないとダメとか、インパクトファクターがいくつ以上の論文がコンスタントに出ていないとダメとか、学会で有名な人じゃないとダメだとかね。自分みたいな師匠の専門と関係のない分野で、ポッと出のアイデアで勝負している弱小研究者が夢を見るにはどうしたらいいのか。教えてほしい。