切ない話

 仕事の関係で、大学生活を過ごした土地に来ました。距離と打ち合わせ時間の関係で前日入りしたので、久しぶりにアパートの周りから中心街まで6 kmくらい歩いてみました。かの地を離れて10年以上、新しい道、新しい建物、新しい店ができ、見知ったモノが数を減らし、当時新しかった建物が古さを隠せなくなって、確実に時間の経過を感じました。

 

 とはいっても、見知った景色も残っていて、感覚的には70 %くらいは10年前と同じ風景でした。決定的に違うのは、あのころの仲間はみんなそれぞれの仕事について、それぞれの場所にいて、「ちょっと遊びに行かない?」とはちょっと言えないこと。何人かはこの土地に残っているけど、家族もいるから実際の距離以上に心理的な距離があります。

 

 そう思うと、確かに今そこに住んでいる人が目の前にいるんだけれども、なんか自分以外に誰もいない世界にぽつんといるみたいで切なくなります。

 

 ヨコハマ買い出し紀行という、アルファという名前の女性のロボットが主人公の漫画があって、そのロボットが小学生くらいの人間の兄弟こんなことを言ってます。

「マッキちゃんはタカヒロと時間も体もいっしょの船に乗ってる。私はみんなの船を岸で見てるだけかもしれない。マッキちゃんとタカヒロはずっといっしょなんだよね。それがうらやましいよ」

まさにこの感覚。で、今はDo as infinityのfield of dreamsを聞いているんだけれど、これがせつなさをますます加速させます。

 

 まぁ、でもそれもまた良し。いい出張です。