学生実験で意外な発見があるのはホントだった

 学生実験で学生が突拍子もない変なパラメータで実験をしてしまったせいで、へんなデータが出てきて、それが実はすごい発見だったという話はよく聞きます。しかし、世界中で何万もの学生実験がやられているはずなので、実際にすごい発見をする確率はかなり低いだろうと思っていました。

 ところが、それっぽいことが昨日、自分の担当する学生実験で起きてちょっとびっくりしています。この実験を昔からやってみたいなと思っていたのですが、とにかく手間がかかるので敬遠してました。そんな中で学生実験の担当が回ってきたので、「あのめんどくさい実験をやらせよう!いい結果が出なくても学生実験なら許されるし!」という不純な理由でテーマを設定していました。この不純なテーマから宝が出てきたんです。

 実際は、コロナのせいで僕が自分で実験をして、その手元をアクションカムで撮影して、解説しながらその動画を学生に見せるというスタイルにせざるを得なかったので、学生10人くらいで手分けしてやる実験を自分で一人で延々とやるハメになっていました。また、初めて作る実験系だったので色々不具合が起きるのですが、成績締め切りまでに何らかの形でまとめないといけないので、一人焦って作業をしていました。コロナのせいで必要な実験道具も揃えにくかったですし。ですので、結果を見るまでは、後悔しかない実験だったのですが、その後悔は昨日の結果で全部吹き飛びました。

 しかも、学生実験で学生が成果を出すと、特許とかで揉めることが多いらしいのですが、今回は学生は見てただけなのでそのあたりの心配をしなくて済みます。一人でコッソリ出勤してコツコツ実験した甲斐がありました。

 テーマのイメージとしては、みんなが超高速の現象の解明に取り組む系に対して、逆に、超低速の現象に着目したみたいな感じです。そもそも私の研究はそういう系が多いのですが。何はともあれ、学生実験は上手やれば面白いですね。