研究にはコツコツが大切

 先にレターでざっと書いた研究の深堀りを学生にやらせているのですが、実験の再現性が悪くて困っていました。この実験の再現性の悪さは知ってはいたのですが、担当する学生は修士だし、自分で理由を見つけて何とかするだろうと思ってほおっておいたのですが、この学生がバイトばっかりやっている子で、いまいち研究に集中してくれなくて、ちっとも状況が改善しませんでした。

 

 中間発表も近いし、状況が改善しなければ焦って頑張るかなーと思っていたのですが、残念ながら放置モードに入ってしまい、ますますバイトに励んでしまい、またこの研究は下工程に他の人が絡んでいるので、とうとう先週から介入することにしました。

 

 再現しない原因の見当はだいたいついていて、ガスを使う実験なのですが、このガスの純度に実験結果がとても敏感であることはわかっていました。なので、ガスの配管のどこかにリークがあって、そこから大気が混入しているせいだろうと考えていました。そこで、長さ20メートルくらいで、50個くらい継ぎ手が付いている配管なんですが、それを端から1個増し締めして、リークによる圧力の経時変化を調べて、再現実験して、また1つ継ぎ手を増し締めして...という作業を延々と4日間かけて繰り返し、ようやく実験が再現するようになりました。

 

 最近はあまり実験してなかったんですが、久しぶりに自分で手を動かしてみると、やっぱりコツコツ地道にやるのは大切ですね。あと、せっかくの機会だったので、圧力変化から外気の混入量を推定して、追いかけている現象についての仮説を立ててみると、色々と面白いことが分かり、別の実験にも活かせそうです。

 

 まぁ、それはさておき、最近の学生はコツコツ苦手な子が多いですよね。コツコツやって結果もコツコツ出てくればいいのですが、実際は長いコツコツの末にぽろっと良い結果が出てくることがほとんどなので、途中で疑心暗鬼になるとすぐにあきらめてしまように見えます。山本五十六

やってみせ言って聞かせてさせてみせほめてやらねば人は動かじ

っていう言葉が好きでして。いつもは居室でコールオブデューティーの動画ばっかり見ているまぐろが、珍しく手を汚して毎日黙々とリークチェックしている姿を見せたらちょっと変わるかなと思ったんですが...。

 

 ま、ローマは一日にして成らずってやつですね。件の彼は今日も12時出社、16時帰宅でバイトでした。