海外の研究機関で働いたとしてメリットデメリットは?

 日本の高等教育・研究機関はどこも研究と教育以外に雑務が多いし、なにかと手続きも煩雑で電子化されていないし、トップの方針もあいまいだし、給料安いしということで、海外の機関に行ってみるのも一考かなと思うのだけれど、仮に言語のハンディが全くなかったとして、メリットデメリットは何か考えてみる。

 

 メリットは雑務が少な”そう”ということ。少なくとも大学教授が研究室にうつで来れなくなった学生のアパートに訪問することは無いだろう。授業もけっこう学生アルバイトにやらせてるみたいだし。あと、アメリカなんかは自分の給料も外部資金で充当できるらしい。日本はポスドクや技術補佐員の給料は外部資金でまかなえても自分の給料には充当できないので、外部資金を取ればとるほど同じ給料で余計に働くことになる。それと、中国なんかだとすごく研究費が潤沢だと思う。

 

 デメリットは、アメリカやヨーロッパを除くと、学生の質は低いだろう。それと研究用の材料なんかは簡単に手に入らないだろう。純度99.999%の金属とか欲しいと思っても、納期がすごくかかりそう。分析装置にしても、日本製の機器であれば、何か使い方が分からないとき、日本だったらメーカの営業に聞けばかなり教えてくれるし、いざとなったら5万円位払ってエンジニアに来てもらうこともできる。日本のすごい所は、とにかくどんな種類の分析装置でもどこかの会社が作っているところ。これは海外のこのメーカーでしか作っていない装置ってないんじゃないかな。これは日本の研究環境の強みだと思う。それと、日本の場合、国内企業であればちょっとおたくの製品分けてくれない?っていえば、多くの場合無償で材料とかくれるし、試験もしてくれる。こういうのも海外だと全く期待できないだろう。

 

 こんなもんかなぁ。総じて考えると、やはり日本の方が研究環境は良さそうな気がしてきた。アメリカとヨーロッパは競争厳しすぎて、現実問題、言語のハンディがあるとほとんど無理そうだし。シンガポールとかお金はありそうだけど、ハード面でどうしても劣りそうだ。全て想像だけれども。

 

 逆に言うと、日本はこれだけのアドバンテージを持ちながら、自分たちで勝手に環境を悪くしているともいえる。海外のメリットのところを日本のメリットにできたら、日本の科学技術はもっと伸びると思うんだけどな。