仕事したくなってきた

 今週の土日は全く仕事をせず、家族で土曜日はIKEA、日曜日は海に出かけてきた。このところキャンプやらツーリングやらで家をあけたり、家でも仕事したりしていたので、埋め合わせで出かけることにした。嫁さんは言わずもがな、IKEAにはぬいぐるみが沢山あるから娘も喜んでいた。

 だがインテリアに興味のない男にとってはIKEAは地獄である。IKEAは最初に客を2Fに上げる。2Fで客はフロアを大きく蛇行しながら歩き、IKEAの製品でセットアップされた部屋やオフィスを見て回る。北欧の感覚でセットアップされた部屋は確かにオシャレに見えるし、「この部屋のアイテム全部でたったの5万円!」といった感じのコピーで実現可能性を巧みに感じさせ、女子の心を鷲づかみ。そして至る所に置いてあるぬいぐるみ。こちらは子供の心をつかんで離さない。娘もぬいぐるみを離さない。引きはがして置いていかせるのがこれまた一苦労。一方、男心をくすぐるモノはナシ。90分近く滞在したであろうか。もうグッタリである。

 食堂のごはんは物珍しさが手伝うおかげで美味しくいただいた。2Fの動線の最後にはカフェテリア的なものがあり、そこで食事をとれるようになっている。スウェーデンの定番料理らしいミートボールや、ローストビーフなどメニューは10種類程度か。一人1000円程度で食べられる。クオリティはエコノミークラスの食事程度。この後、客は1Fに行って、2Fのインテリア例に使われていた、小物類を見て回る。ここでまた男の修業が始まるのだが、まぁそれはいいだろう。

 とにかく、言いたいのはこの土日は全く仕事をしなかったという事。そして全く仕事をしないとあれほど嫌気がさしていた仕事をしたくなってくるという事。最近のウィークデーの日課は最初の1時間は論文書き、次の1時間は勉強に割り当てているのだが、特に最初の論文の1時間が辛い。現在Result and discussionの最後の段落を書いているが、論理の抜けに気が付いた。とはいってもテニュアトラックなので論文の本数を確保するためにも、再実験はやっていられない。というか異動したこちらの機関ではハードウェアの問題でできない。となると先行研究の結果でパッチを当てるしかないが、当然そんな都合のいい論文があるはずもなく。そうすると、結論で広げすぎた風呂敷を少し畳むことになるが、どう畳むのか、それに合わせて途中の論理の繋がりをどうやって組みなおすのか考えるのがツライ。時間を投入しているのに全く論文の文字数が増えて行かないのもツライ。時間を投入した分だけ確実に進むメールの返信作業に逃げたくなる。でも、朝の8時から9時はそれをしないと決めたので逃げられない。やるしかない。でもツライ。ということで仕事に嫌気がさしていたが、不思議なもので2日間家族サービスのみで仕事を全くしていないと、論文を書きたくなってくる。

 そんな訳で、明日は仕事が進む気がする。論文についてはもしかしたら来週中に英文校閲に出せるかもしれない。あと、テレビを付けたらたまたま映った放送大学の授業で、クロスカップリングの話を鈴木先生がされているのを聞いていたら新しい研究のアイデアが浮かんだ。やはり土日は休みが必要というか、仕事から離れたほうが、結果的に仕事が進むと思う。とはいえ旧帝大の最先端で頑張っている人はそんな悠長なことを言っていないと思うので、能力的に劣る自分はそんなんでいいのかとも思うのだけれど、土日も仕事をやると脳みそが回らなくなる。それも含めてきっと才能の差なんだろう。